地方内科医の日日是好日

地方中規模病院内科医の日々の診療記録

2023-01-01から1年間の記事一覧

20230703:インフルエンザ桿菌を血液培養のGram染色でみたことありますか?

80歳HTN(アムロジピンのみ)、DM(薬なし)の既往のあるADL full、農業は趣味程度で時々している男性数年前から年に1回ほど肺炎を起こしており、前回は1年前に喀痰からH.influenza、S .pneumoniae陽性の市中肺炎でCTRX1週間治療で退院していました。今回数…

20230702:JAMA:Caring for Patients With Acute Respiratory Distress SyndromeSummary of the 2023 ESICM Practice Guidelines

ESCIMのARDSガイドライン2023が出まして、それに対してJAMAからsummaryが出ていました。ガイドライン全部読むのは大変なのでsummaryを読みました。2017年からの変更点がわかりやすくまとめられています。 以下まとめ ・挿管されていない患者が含まれた。 ・H…

20230702:JAMA Clinical Challenge:Skin Lesions, Foot Drop, and Hand Contractures

学習メモ Skin Lesions, Foot Drop, and Hand Contractures(JAMA. Published online June 30, 2023.) 生来健康な20歳代の男性が、3ヵ月前からの右足首から全身の他の部位にかけて環状皮膚病変で皮膚科を受診した。皮膚病変部位のしびれと知覚異常、両手指…

20230701:NEJM Case record:Case 20-2023: A 52-Year-Old Man with a Solitary Fibrous Tumor and Hypoglycemia

" data-en-clipboard="true">今週のNEJM case recordです。孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor)を有する52歳の男性が、反復性低血糖で入院した症例でした。 " data-en-clipboard="true"> Case 20-2023: A 52-Year-Old Man with a Solitary Fibrous T…

20230619 BMJ:寝汗のアプローチ

去年の初診外来の症例 60歳男性、高血圧でアムロジピン内服、皮膚科で湿疹の保湿剤をもらっている以外に既往のない、まだ建設会社で働いている中肉中背の元気な方 3ヶ月前から、衣服を1度は着替えるほどの寝汗を毎日認めるようになり、仕事が落ち着いたタイ…

20230615 NEJM レビュー:皮膚扁平上皮癌

今週のNEJMのレビューはこちら。 感想としては ・こんなに多いんだ ・免疫抑制がこんなにリスクなんだ ・術後の人などフォローする機会があれば、リスク評価をして適切なサーベイランスができているか検討しよう の3点です。 Squamous-Cell Carcinoma of th…

20230614 めまいのガイドライン(GRACE-3):Acute dizziness and vertigo in the emergency department

めまいのスライド作りのための勉強です。最近SNSで少し話題になっていためまいの新しいガイドラインを読んでみました。 ※過去のめまい記事はこちら tknk830.hatenablog.com tknk830.hatenablog.com 総論的な流れは先日upしたスライドから変える必要はないと…

20230610 NEJM:レビュー PRES

実は診療したことないPRES。今週のNEJMのレビュー。 さまざまな画像パターンの頻度、さまざまな背景疾患など勉強になりました。 マネジメントに関しては下げすぎない程良い降圧と誘因物質/薬の除去、妊娠時の対応など実践しようと思います。 Posterior Rever…

20230608 AFP:レビュー めまい

めまいのスライド作りのための勉強です。5月号のAFPにめまいのレビューが載っていました。 総論的な流れは先日upしたスライドから変える必要はないと思いました。ATTESTの方が分かりやすいと思います。Table5は2018年のStrokeに載っていたものですが、これ…

20230607 読書記録:誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた

研修医の先生におすすめの皮膚科の医学書を教えてもらいました。 この本は皮膚科の臨床推論の本ですね。イメージは志水太郎先生が提唱されているPivot and clusterでしょうか。 触れている内容は基本的ですが、皮疹の見方が変わりました!ツルツル!ざらざら…

20230605 小児のアナフィラキシーの注意点

今日は小児外来で4歳の小児のくるみ摂取後のアナフィラキシーの対応をしました。普段小児をたくさんみている小児外来でもアナフィラキシーの対応はあたふたします。 ということで、今回は小児のアナフィラキシーを対応する上での注意点を書いてみました。こ…

20230602 急性めまい まとめ

今月末に院内でめまいレクチャーをすることになったので、過去の資料をまとめ。 ※スライドはDL可能です。ご使用は自己責任でご理解ください。 www.docswell.com ※追記(2023/6/14) 最近出ていためまいのガイドライン(Guidelines for reasonable and appropri…

20230531 JAMA:レビュー 肝硬変の管理

JAMAより、肝硬変の管理について。 診断、マネジメントの流れのFigureがわかりやすい。 肝硬変は、なんとなく見逃していつの間にか進行して合併症で見つかる肝硬変が多いです。慢性肝疾患でフォローしているときには、適切に肝硬変のスクリーニングを行い、F…

20230529 ポートフォリオ発表会:同意できない中での意思決定 ポイントは最大公約数

先週末に当院での家庭医療ポートフォリオ発表会がありました。 私は、民間療法への信頼が強く必要な医学的な対応が困難な中年女性の人生の最終段階におけるケアについて発表しました。異なった考え方のため共通の理解基盤が形成できず、かつ陰性感情を持って…

20230523:青色強膜

小児外来の一コマ 指導医「先生たち、今から1歳のワクチンの子供がいるけど、顔の特徴があるから何か考えてみて」 (ワクチン終了) 私「いやー全然わかりません」 1年目研修医「強膜が青かった気がします!」 私「えーそうだった?」 指導医「素晴らしい!…

20230520 AFP:レビュー 脚をひきずる小児

小児外来、また脚を引きずる子が来ました。今回は右股関節を痛がり、エコーで右少量、左少量の股関節液貯留を認めました。血液検査で炎症は上がっておらず、一応体重もかけられたので一過性滑膜炎として外来フォローとしました。 今回、足を引きずる小児のま…

20220516 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20 まとめ

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますがカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。まとめです…

20220516 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20⑥Miscellaneous

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますがカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。長いので小…

20220515 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20⑤Prediabetes/Diabetes Mellitus

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますがカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。長いので小…

20220511 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20④Gastroenterology

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますがカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。長いので半…

20230510 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20③Asthma

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。長いので小分…

20230509 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20②Behavioral Health

AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究トップ20の要約が出ておりました(COVID-19以外)。長いので小分…

20230508 AFP:2022年のプライマリケア医が読むべき論文20①Preventive Health Care

GWは後半お休みいただいておりました。ちゃんと勉強します。 AFP(American Faamily Physician)2023年4月号が刊行されており、その中で今年で12回目となりますカナダ医師会からのPOEMs(patient-oriented evidence that matters)と認定された2022年の研究ト…

20230430 餃子摂取3時間後の腹痛、下痢、血圧低下

他院での症例検討会がありました。 深夜0時からの腹痛、下痢、血圧低値の症例でした。 腹痛は自発痛は下腹部にあるが、圧痛は目立たちませんでした。圧痛が目立たない自発痛が強い腹痛を見た時には 腹腔外の臓器として胸部/肺、後腹膜臓器、心血管系、神経(…

20230426:肝機能障害精査お願いします(解答編)

問題を考えていただいた皆さんありがとうございました。私の問題の出し方が悪くて困った方も多いと思います、お許しください。 それではその後の経過となります。commonな疾患ですので安心してください。 -------------------------------------------------…

20230425:肝機能障害精査お願いします(問題編)

小児外来の一コマです。 近医クリニックよりご紹介。5最男児、受診2日前からの咽頭痛(嚥下時痛)と39度の発熱、有痛性の右後頸部リンパ節腫脹あり、受診1日前に近医受診となりました。血液検査でAST300、ALT350、LDH400と高値、CRP12と高値であり、管機能障害…

20230423 NEJM Case record:Case 12-2023: A 44-Year-Old Woman with Muscle Weakness and Myalgia

週に1回のNEJM case recordまたはCPSの輪読会の日です。本日のcaseはこちらです。 Case 12-2023: A 44-Year-Old Woman with Muscle Weakness and Myalgia( N Engl J Med. 2023 Apr 20;388(16):1513-1520.[PMID:37075144]) ------------------------------…

20230418 魚介類摂取後の繰り返す嘔吐

53歳男性。ホタテを食べた4時間後に嘔吐、下痢を数回繰り返し来院。症状は数時間で自然軽快した。アサリを食べて同様の症状が出現したこともあるが、牡蠣などの他の貝類、海産物で症状が出現したことはない。同じものを食べた人で同様の症状はなかった。特異…

20230414 NEJM Case record:Case 11-2023: A 67-Year-Old Man with Mantle-Cell Lymphoma and Hypoxemia

週に1回のNEJM case recordまたはCPSの輪読会の日ですが、今週はTokyo GIMを見る週なのでお休みですので簡単にまとめだけ。本日のcaseはこちらです。 Case 11-2023: A 67-Year-Old Man with Mantle-Cell Lymphoma and Hypoxemia( April 13, 2023. N Engl J …

20230412 新生児エコー:頭部

新生児に対するエコーで特有のものが頭部エコーです。備忘録的にまとめます。 --------------------------------------------------------------------------------------- 参考文献 ・NICUベッドサイドの診断と治療 ・超音波医学(1346-1176)37巻3号 Page309…