地方内科医の日日是好日

地方中規模病院内科医の日々の診療記録

20231027:連鎖球菌のIEリスク

85歳女性、要介護2、施設入所をされている方。受診前日からの発熱で受診。診察すると背部に発赤あり。蜂窩織炎として診断した。 (自分は蜂窩織炎でも血液培養をとるように育てられてきたので)血液培養を採取し、家族や施設の希望もあり、全身状態を鑑みつ…

20231024:NEJM レビュー SIAD

(本文症例) 85歳の男性。定期診察で血清Na128mmol/L。若干ぼーっとして、歩容が不安定であった。既往歴は原発性高血圧、前立腺肥大症。服用薬はアムロジピン、フィナステリド、タムスロシン。血圧136/68mmHg、起立性変化はない、その他の診察で異常はない…

20231015:NEJM レビュー:STEC HUS

20歳女性、4日前に焼肉に家族で行った。2日前から発熱、1日前から血便あり救急外来受診。診察時には発熱なし。腹部は全体的に圧痛あり。CTで全結腸型の腸管浮腫あり。血液検査では炎症反応上昇のみ。 今後のマネジメントで気をつけることは? その後 ERでは…

20231003:AMPC/CVA出荷調整!動物咬傷どうする?

NICU、ICUの勤務が終わり、10月から地方中規模病院に戻ってきました。標高1000mくらいで、ひたすら寒いです。 この6ヶ月外来をほとんどしていなかったせいか、タイミング的な問題かわかりませんが昨日薬剤師さんからオーグメンチンの出荷調整の話がありまし…

20230930:MDRPの抗生剤治療、Entended infusion therapy

長いことCovid、ARDS、肺炎などで治療していた経過の中での呼吸状態増悪、喀痰からMEPMとLVFXがR、PIPC/TAZ Iの緑膿菌が陽性となりました。抗生剤治療はどうしましょう? 今回もIDSAの治療ガイダンスを見てみましょう。 以前のAmpCについての記事はこちら tk…

20230923:NEJM レビュー:CLABSI

今週のNEJMのレビューはこちら 要点をまとめると ・CLABSIとCRBSIの違い(サーベイランス的なものと臨床的なもの) ・意識すべき感染経路4つ(Key figure) ・CRBSIリスク因子3つ ・CRBSI予防戦略 ・CovidのCLABSIへの影響 となります。 Prevention of Centr…

20230918:NEJM Case recored:Case 28-2023: A 37-Year-Old Man with a Rash

今週のNEJM case recordです。37歳男性の全身の皮疹の症例です。 Case 28-2023: A 37-Year-Old Man with a Rash Profile:37歳男性 HPI: 37歳の男性9日前まで元気であったが手足にびまん性の発疹が生じた。発疹は3日間で腕、脚から鼠径部、体幹、顔面へと拡…